ブログ藤子堂

元保育士の失笑系バンドマンです。音楽、漫画、デジタル。時々保育の話など。

わたしのウチには、なんにもない。4

最新刊読みました。

同シリーズの過去記事はこちら。

今回は作品の性質上ネタバレが多いので分割機能を使ってみますね。

 

祖母との過去と遺品整理

今作は3巻の校了直前に亡くなられた作者(ゆるりまいさん)のお婆様と、彼女の遺品整理が話の中心となっています。

この巻以外が手元にないので比較ができませんが、全体的に色使いが淡く鳴った気がします。あとなんか、顔が角ばった? 人物の絵の割合が増えて目にする機会が増えたから気になるようになっただけかもです。

 

身内が亡くなる、ということへの備え

タイトルには遺品整理とありますが、遺族は葬儀以外にもするべきことが幾つかあって、それらに関しても描写があって、これが結構考えさせられました。

例えば役場での各種手続き(住民票の抹消や年金受給の停止など)などは、昔であればご近所の方が声をかけてくれたりもしたんだと思います。これが昨今の地域交流が乏しい核家族とかだと「実家のおばあちゃんなくなりました」って言われてもなにをどうすればいいのやら、となると思います。実際相場もわからないまま高い葬儀プランを組まされた、というエピソードも珍しくないですし。

最近では自分の死に備えて行うことを「終活」と呼ぶ、という話を耳にした時は「なんでもかんでも◯活ってつければいいと思ってるだろ。。。」くらいの認識でしたが、実際に残された側からしたら立つ鳥跡を濁さずですごく助かるのかもしれません。

 

ある意味この本も遺品整理なのかもしれない

お婆様の略歴や、彼女と作者や母(お婆様の娘)との関係についても深く掘り下げられて描写がされています。

こういったエピソードは5年10年といった結構な時間が経って心の整理がついてから語られる、という方も多いですが、今作は前作(わたしのウチには~3巻)の発売から1年ほどでの発表になります。

捨て変態のイメージが強い作者ですが、ゆるりさんの場合は漫画に書くことで心の整理をつけているのかなあ、とも思います。捨て変態故に祖母との思い出をいち早く整理(思い出はモノではないので整理すればいくらでも心の中にため込めます。)したくて、その方法がたまたま仕事として書いていた漫画だったのかもしれません。

 

いずれ来るであろう藤子家の遺品整理が怖い

さて、うちは田舎の一軒家でガレージや農具小屋とかもありまして、他所様と比べてかなり物が多い家です。ゆるりさんの場合は震災という形で強制的に生前整理が行われていましたが、うち場合は物が増える一方です。

作中でどんなに大事に未使用で取っててもその人が死んでしまって残った人が使わなければただのゴミになっちゃうという言葉が出てくるんですが、藤子家でも大量のゴミが生まれそうです。

何がいやって僕なり残された家族なりが一人で処分しようとするとものすごく手間と時間がかかるか、お金を払って業者に頼むことになりそうな点。僕の代で保留しても、次の代が困るだけなんですよね。仮に僕が末代だとしても残された親戚が困るでしょう。

断捨離という考え方がなかった世代には難しいといえばそれまでなんですが、どうにかうちの家族にものを捨てたり買い替えたりすることに意識を向けて欲しいです。

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン!