ブログ藤子堂

元保育士の失笑系バンドマンです。音楽、漫画、デジタル。時々保育の話など。

英語できるかな?(高世えり子) は英語嫌いにこそ読んで欲しい。

高世えり子さんのコミックエッセイを読みました。

「理系男子。」って作品は書店で見かけたりタイトルを聞いたことある人もいるじゃないでしょうか。

その作者が英会話に取り組む過程が描かれています。その学習過程がものすごく実践的で理にかなってると思ったので、いくつか藤子堂でも紹介しようと思います。

作者さんは英語コンプレックス

まず本編開始直後の作者さんは、典型的な英語コンプレックスです。

中学高校の英語の成績は決して悪くなかったそうですが、話せないから英語から逃げる、逃げるから英語が話せないのループで、英会話はさっぱりできない状態でした。いわゆる「英語が話せない日本人」の典型例ですね。

そんな彼女ですが、海外から取材を受けたことをきっかけに「世界中の人と話がしたいっ!!」と思うようになり、英語学習に再チャレンジすることになります。

発音に正解はない

日本人はやたらときれいな発音の英語にこだわって幼い子供を英会話に通わせたりしますが、作中では発音気にしすぎないようにしようと主張しています。これには藤子も全面的に同意。

日本語にも方言があるように、英語にも地域ごとに発音に違いがあります。個人的にはその国の言語にない音は訛りやすいイメージ。日本人がRとLの使い分けできないとか、韓国人がthiをチっていうのとか。

TOEICのリスニング問題などでも4ヶ国(※英米カナダオーストラリア)の英語が登場しますが、これらの国の公用語はすべて英語です。それでも発音には違いがありますよ。

受験英語は難しい

今回一番驚いた内容がこれです。受験英語ってネイティブが聞いてもややこしい構造の文章なんだとか。

試験問題として使われている英語は、日常会話よりも論文などで使われるような表現も多く、「英会話」というシチュエーションの場合はもっとシンプルな英語でいいそうです。

作者の旦那さん(帰国子女)も、「外国人が「流石」とか「尤も」とか使っているようなもの。」「日本語と英語の直訳はあきらめたほうが楽」などと説明しています。

日本人が英会話をする際は、一つ一つの文章を短く区切り、できるだけシンプルな英語を使うほうが相手にも伝わりやすくなります。 作中で一番わかりやすい例がこちら。

作者:私の感想としては ハニーカプチーノというわりには ハチミツが沈殿してて カプチーノの牛乳の味が 損なわれていたと思う。

旦那:It's all honey.(はちみつばっかり)

高世さんが元の日本語をそのまま英語にしようとして困っているところを、旦那さんが超圧縮かけてシンプルにしています。もっと話を展開したい場合も一度文章を区切って、It'sで続ければいいわけです。

It's all honey.(はちみつばっかり)

It's too sweet.(甘すぎる

It doesn’t have the taste of milk.(牛乳の味がしなかったよー)

The honey went to the bottom of the cup.(ハチミツが沈殿してたよー)

勿論、ボキャブラリーが少ないと細かいニュアンスは伝えにくいですし、シンプルな英語ばかりだと子供っぽい英語に聞こえてしまうという欠点もあります。しかし、日本人は英会話において、まず「英語を話す」ということに対するハードルを下げることが必要でしょう。

話したい人、伝えたいコトがある

英語に限らず語学を学ぶにあたって、結局一番大切なことはこれです。

どれだけ必死に勉強しても、「何のために学ぶのか」ということが自分の中ではっきりしていない限り、学習効率は著しく低下します。

作者さんの場合は海外からの取材を受けた時に「相手のことをもっと知りたい、自分の漫画を世界に伝えたい」と強く思ったことが、彼女を英語の学習に駆り立て、その夢を実現させたのだと思います。

終わりに

ほかにも作者さんが英会話教室に通う様子や、以前インタビューを受けたインド人と通訳なしで再会しコミュニケーションをとる様子(そしてそのために彼女がした対策)など、彼女の英語学習にまつわるエピソードが詰め込まれています。

英語を学んでいる人には勿論、「学校で習ったきりだわ」って人だったり、英語アレルギーな人にもオススメですよ。

⊂二二二( ^ω^)二⊃フboon!